top of page
検索
  • 執筆者の写真伶 佐々木

27.神様

2017〜18年の曲作り対決から。

 就職活動をすると、企業から「今回はご縁がありませんでしたが、今後のご活躍をお祈り申し上げます」という、いわゆるお祈りメールをたくさんもらいます(それすらよこさない会社もありますよね。ビジネスマナーが云々とか言ってて、流石にないだろという気がします。定型分の一斉送信がそんなにめんどくさいか?)。これを女性からもらったという曲です。

 そんなおもしろLINEをくれたのは、5曲目の初めてのスタンプに出てくる女性。休日はとにかく予定が入っているのだと、2度目に会う約束はずっとできず、しかしLINEのやりとりは割とコンスタントに続きました。とはいえ、そんなに土日が埋まり続けるのは不自然です。ほぼ諦めの境地でした。


 しかし、ある日のLINEで「勧められた細雪を上中下と買い揃え、全部読んだ。面白かった」と。谷崎の名作中の名作ですが、派手な展開がある訳でもなく、とにかく長い。これまで本好きの友達に散々勧めてきましたが、本当に読んでくれたのは初めてです。「もしや、可能性があるのでは?」と、勘違いをしました。私も、その女性が勧めてくれたオースティンの「自負と偏見」を、即買いして2日ほどで読み切り、長い感想を送りつけるなどしてしまいました。


 しかし、会う約束を取り付けることは相変わらずできません。そして「実はかねてからの知人とお付き合いすることになったので、もう会うことはやめたほうがいいと思う」とのLINEが。「佐々木さんはそんなつもりじゃなかったと思うので、勘違いなメッセージのようで恥ずかしいのですが」とあり、「いや、そのつもりやなかったら逆に何やってんねん」と心をさらにえぐられました。そして、文末には「活躍をお祈りします」と。


 このLINEだけでもわかるように、かなり面白い方でした。個人的な人間関係を築くことはできませんでしたが、曲作りのインスピレーションをもらえただけでも大きな収穫でした。無駄な出会いなんてない。そのはずです。


 当初、レコーディングするという話にはなっていませんでしたが、大橋Pが当然ほとんど完成したアレンジデモを送ってきて、アルバムに収録することになりました。神様という声からの連想ゲームような、ゴスペルコーラスがいい感じです。DTMも極めると、こんな感じにもできるんですね。落ち着いたら、僕も勉強したいものです。



閲覧数:29回0件のコメント

最新記事

すべて表示

30.それだけじゃダメですか

長い解説も、ようやく最後まできました。googleドキュメントに書いているのですが、A4の11枚目に突入しそうなところです。読んでくれた方は、本当にありがとうございます。 この曲は、もうできてから6年以上経ちます。社会人になってから初の遠出旅行で沖縄に行きました。沖縄市・コザのライブハウスの飛び込みに参加し、オリジナルとカバーを3曲くらいやったらライブハウスの人と常連さんが一生懸命聴いてくれて、「

29.PL法

3年ほど前の曲ですが、どういう経緯があって作ったのか記憶がありません。中身は常々思っていることですね。モテない人間は異性と接する機会がないから上達しない。他方で、モテる人間はもともと得意な上に、機会もたくさんあるからなお上達する。これは、恋愛に限らず、何事もそうですよね。 「言葉は通じてるけど 言葉しか通じてない」という歌詞は、我ながらパンチラインだなと思います。自分が悪いのか、相手が悪いのか。ど

28. Work

ほぼ10年前、大学時代にやっていたGive me chocolates(母体はThe Danlays)というバンドで最後に増やした曲です。ルーパーというものの存在すら知らなかった訳ですが、どう考えてもループさせるしかない曲を思いつきました。ディレイについているリバースで遊んでいて、出てきたフレーズだと思います。そのバンドには、もう一人めちゃくちゃ弾けるギタリストがいたので、その人に人力で弾いてもら

bottom of page