今の佐々木伶としての音楽スタイルを決定づけたのが、この曲です。身近に感じた切なさ、僻み、やりきれなさ、強がりなどをそのまま歌う。ヤバイTシャツ屋さんの影響があったような気がします。
大学時代の音楽サークル仲間とは、卒業から10年近く経った今でも付き合いが深く、2017〜18年の年末年始にかけて、期間内に作る曲数を競う「曲作り対決」が久々に開催されました。曲の質は問わず、自分が曲とみなしたものをウェブに上げていきます。「私は選ばれない」はその1曲目で、歌詞もメロディーも同時に15分ほどで出来ました。就職してしばらくライブから遠ざかっていましたが(そもそも大学時代はバンドが主でした)、この曲で掴んだ曲の作り方が、ライブハウスに戻る大きなきっかけです。
ライブでは、初見のお客さんに「このライブは笑っても大丈夫なやつ」と認識してもらうための自己紹介として、1曲目にやることが多いです。他の曲の前振りでもありますね。一時期、単純すぎて遠ざけようとしたこともありましたが、アルバム16曲目に出てくるrepriseを作るにあたり、意外とオルゴールでもいけるメロディなんやと、自分の中で再評価する流れになりました。
大橋Pと録音したのもこれが最初で、動物の鳴き声を入れたり、「ラヴェル」→「ボレロ」と連想ゲームでリズムを入れたりと、楽しい悪ノリも入っています。ボレロのリズムは重ねた新聞紙を叩き、エフェクトをかけています。
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